情報学と人文学

 教養主義の没落が叫ばれたのがいつなのか忘れたけど、古典的教養の権威にとどめを刺したもののひとつは情報科学の発達なのか? いずれにせよ、教養主義は大学等にしか生き残る場がなくなるのは確実だ。これに関するような本を読んでいないので受け売りさえできないけど、たとえば、甚大な速さで拡がり続ける膨大な世界とどう向きあうか、などとすでに百年以上前から言われてきたこの問題には、簡単に現実が答えてくれる。いうまでもなく、そもそも世の中のすべてに目を向けることなど馬鹿げているというわけだ。人々は、各時代に流行する諸現象にばかり集中する。そしてそこから部分的な普遍性(語義矛盾)を抽出してくるわけだ。いまなら、情報科学に拠り沿った文化現象に偏っているだけともいえるかも知れない。

中途