何かをみて「これだ」と思う直観について2

そのとき、わたしが直観している。その時点でのわたしの思考や感覚の突端かその先にある言葉から連想されるイメージ、その言葉自身のリズムやニュアンス自体から想起される個人的で言語化未満のもので、無意識に似てそのとき初めて発見されたかのような体裁…

何かをみて「これだ」と思う直観について

経験から語ろう。本屋で目を引くものを見つける。そういうものは、だいたい一般向けの本で、帯やタイトルに、どこかしっくり来るものを感じている。このとき、わたしはきっと、明確な何かを掴んでいるわけではない。それでも、その本が自分の得意とする分野…

生活は重い

昔、ある女性の作家は、家事の合間に、散漫な時間をうまく使って書いたという。自分にはとてもできそうにない。いま書いてるこの時間で書けと言われれば、こうした文になってしまう。そこで、こうした状況で書くときはいつも、それを目指して意識してみるこ…

生活してみる

今日は、妻が仕事なので1日子供をみる。スマホ以外は手につかない。赤ん坊を連れて外出すると、女性の高齢者によく声をかけられる。これをおばちゃんホイホイという。彼女たちのなかには、断りなく赤ん坊を触ってきたり、遠慮なく話を続ける人もいるので、…

生活に携わる

多くの人にとって、自身の生活をまったく顧みずに、仕事や趣味に没入して生きていくことができるようになったのは、この20年ほどのことだ。とくに日本の生活に関する利便性は世界有数のもので、生活をないがしろにして社会的に生きては行けないということ…

コルシア書店の仲間たち

須賀のことは敬遠してきた。別に彼女を特別きらう訳じゃない。塩野七生や津村節子といった、いまから数十年前の昭和の古い女性作家には、端的に偏見から、近づかないようにしてきた。一言でいえば、彼女らの余裕が気にくわないからだ。自身の向ける視線に反…

再開

このブログはメモ代わりに始めたものの、物事をコツコツ継続することは苦手なので途中放棄していた。そろそろ、再開したいと思う。

devil may cry に

devil may cry = DMCそのままとれば、悪魔も泣きだす「恐ろしさ」という意味か。 最強の主人公が悪者(悪魔)を倒す勧善懲悪のバトルアニメといって紹介されたら、多くの人が興味を失ってしまうと思う。 舞台は、1960年代、西欧の古典建築と高層ビルが入り…

漱石から始めるわけでなく 2012/2

久しぶりの「坊ちゃん」再読。以下にメモ。・一筆書き 一日平均四百字原稿用紙31枚(ページ換算一日15〜20ページ) =初日(原稿第一回目)だけで二(三)章までは書いているかも・冒頭からのリズム→独白 なので段落毎に感想めいたものをつなげて味つけ スタ…

本は、馬鹿買い、選択買い、気分買い、とりあえず買っとくかい? 2012/3

大学以降、持ち金が増えて馬鹿みたいにどっさり本を買うようになった。が、大学生には大して余裕はないので、すぐに安い古典名著系ばかり選んで買うようになる。そのうちそれでは飽き足らずに、そのとき気になるものを古本・新刊を問わず気分で買うことにす…

ニーチェの引用 2012/8

われわれは真理を欲する、というが、ところで、なぜにむしろ、非真理を欲しないのか?なぜに不確実を欲しないのか?なぜに無知をすら欲しないのか?いまや、「いかにして先験的総合判断は可能であるか?」というカントの問いに代えて、「なぜそうした判断へ…

物語の最高頂は劇中劇? 2012/9

物語を積極的に運用するとき、作家が一度は考えるだろう劇中劇の方法は、メタフィクションといってしまったら台無しになる。それは生涯に一度だけ、それもとっておきの作品にのみ導入するのがベストだと断言してもいいんじゃあなかろうか。それだけ特別だと…

精神分析 2012/9

ラカン派精神分析入門―理論と技法作者: ブルースフィンク,Bruce Fink,中西之信,椿田貴史,舟木徹男,信友建志出版社/メーカー: 誠信書房発売日: 2008/06メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 69回この商品を含むブログ (21件) を見るラカン読書にずっと躓いて…

マンガと小説 2012/9

たとえば、ジャンプマンガが各種文化系雑誌や批評の対象にならないのはなぜか、よく知らないけど、商業的・政治的制約≒出版社の意向があると考えて差し支えないような気がする。そもそもマンガ批評自体、最近になるまでまともに成立していなかった理由も知ら…

最近のニーチェ  2012/9

最近は哲学科の学生もニーチェを読まないと聞いた。一昔前なら文学部学生の一般的読書対象の一人だったというのはわたしの思い込みだったのかしらん。哲学科に入るのは、未だ人気の心理学科に入れなかった落ちこぼればかりだとか。 『超訳ニーチェ』のような…

小説作品が二次元だという聞いたことのあるような設定からはじめてみよう。すると、映像に比べてとても効率の悪い消費財と思われても仕方ない。こんなふうにして、外枠ではの方へ進む。 他人の言葉から始める or 始まる....................................…

城山動物園 夜勤報告 原文まま

記録W ・外出で飲酒し、怪我 本日、作業所オフィスK氏より連絡あり。Wさんの左前頭部に傷がある為、本人に確認。 5/22(土)の夜、歌舞伎町で缶チューハイを3本程飲み、看板に左前頭部をぶつけた。 通行人が気を利かせて救急車を呼び、国立病院へ搬送され…

近代的教養からポスト近代的知識能力 2012/11

近代的教養のある人からしたら、ポスト近代的知識能力??を実用する人がバカで短絡的、下品なエゴイストにみえて当然かもしれない。逆に、後者からすれば、前者は高みの見物をする醜悪な文化的富裕層や、合理性がなく融通の利かない理解不能の貧乏貴族かも…

今さら、「イカとクジラ」 というか、連日映画10本通しで

たぶん、だれでも、たまに、衝動的に欲しくなるものがある。ラーメンを食べたくなり、悶々として金太郎に会いにいき、人の声を聞きたくなる。 今回はたまたま、それが映画だった。古本屋で映画の本を見つけたのがきっかけで、映画館でアルバイトする友人に会…

再起&経年並みの老化 2012/12

そろそろ、再起です。自堕落に過ごしたこの一年は全くの無駄だったのでしょうか。いえ、どうでもいいことです。無時間的な感覚に失望と快楽が押し寄せて、それこそ何も事件は起こりませんでした。ただ、何もしていなくとも年をとることの実感を得ることがで…

オタク≒クーヴァーだよね〜

邦訳はオタク向けにえらばれたものばかりとしか思えないでしょ。 萌えメイド、ゲーム廃人、メディア中毒。

作って壊して、作って  2013/1

大きな話がしたいですね。そう、大きな話ができる環境にあるだけで恵まれているんですね。よくわかりました。ここでは独り言をしますね。つくられました。壊す人がいました。作る人たちがいて、壊す人たちがいました。もしくは、いつのまにか壊れたんです。…

個人にとって最大の問題は時間だ

すべて時間に左右されるものだからだ。最低限度の生活を営むことがほとんど達成されている?現代日本では、…いや、日本なんて云うことはない。少なくとも現時点では生活の保障されている、この私にとっての問題は、時間である。究極的にいって、人間は死んで…

ディック以前/以後  2013/1

自然と自然、自然と人間、人間と人間、人間と機械、機械と機械、機械と?ディックのような小説が、預言的だとははじめわからなかった。 彼の小説をいくつか読んだあと、『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』でそれがわかった記憶がある。わたしは21世紀…

情報学と人文学

教養主義の没落が叫ばれたのがいつなのか忘れたけど、古典的教養の権威にとどめを刺したもののひとつは情報科学の発達なのか? いずれにせよ、教養主義は大学等にしか生き残る場がなくなるのは確実だ。これに関するような本を読んでいないので受け売りさえで…

つまみ食い文芸誌 たまたま調子が悪くて

ほんとうにひさしぶりに文芸誌を覗くと、去年のは震災関連のものばかりですぐに食欲がなくなった。文芸誌は当然つまらないという一般論自体を、新たな視点を加えて誰かが面白くしてくれないだろうか。好きな作家でなければ小説は名前だけ押さえる。時評や対…

書評、時評、たとえば斉藤美奈子

[[書評と作家]] 書評とは無論、作品を紹介することを目的に書かれる。 問題は誰が書いてもウサンクサイことで、それは作家だって同じ。よくあるひどいものは、作者の来歴を述語に用いて、この作品は「〜な感じで」「〜がみそだから」「〜なのである」という…

われわれの周囲の、…(まえがき)

われわれの周囲の、世界に与えられるいろいろな意味は、もはや部分的な、一時的な、相互に矛盾さえし、いつも異議を申し立てられるていのものでしかなくなった。いったいどうして芸術作品が、たとえどんな意味にしろ、前もって知られたなんらかの意味を、図…